祭頭祭へ準備着々 茨城・鹿嶋 3月9、11日

茨城新聞
2023年3月2日

鹿島地方に春を告げる祭頭祭で、当番字を務める二つの郷が2月末、茨城県鹿嶋市内で関連行事を行った。今年の祭頭祭は、3月9日に祭頭祭の神事、同11日に祭頭囃(ばやし)と春季祭が執り行われる。

■樫棒鳴らし「廻り祭頭」 沼尾郷
沼尾郷の廻(まわ)り祭頭は2月26日、鹿嶋市沼尾の常福院を起点に行われ、囃人(はやしびと)たちが、樫(かし)棒を打ち鳴らして五穀豊穣(ほうじょう)や地域の発展を祈った。

この日は沼尾郷祭事委員会の役員や華やかな衣装に身を包んだ囃人たち200人余りが常福院の本陣に集結。一行は、大総督を務める市立豊郷小1年、宮本成生君(7)の「進め!」の号令で出発し、田野辺寺や沼尾神社などで祭頭囃を披露。豊郷公民館では一斉囃しやソーラン踊りで締めくくった。

同祭事委員会の塚原重徳委員長(71)は「いよいよ本番までわずかになった。地域の一人という実感を持ち、残りの神事、祭事に取り組みたい」などと述べた。

■鹿島神宮に大豊竹奉納 粟生郷
当番字を務める粟生郷の大豊竹(だいほうだけ)奉納は2月25日、鹿嶋市宮中の鹿島神宮(鹿島則良宮司)であり、粟生地区で採取された全長約15メートルの大竹が拝殿前に据えられた。

鹿島神宮の拝殿前に奉納された粟生郷の大豊竹=鹿嶋市宮中

 

粟生郷祭事委員会(飯塚秀雄委員長)が同日朝から掘り起こした竹は、正午前に同神宮大鳥居前に到着。同委員会のメンバーたち約20人が竹を担ぎ、楽士隊の太鼓や祭頭歌に合わせて参進した。もう一方の当番字、沼尾郷の大豊竹は既に奉納されており、北郷と南郷の大豊竹がそろった。

奉納に当たり、鹿島宮司は「鹿島地方のみならず、日本に春をもたらし、五穀豊穣を祈ってほしい」と述べた。