《キャンプを楽しもう》稲敷キャンプ場(茨城・稲敷市) 3種の異なるスタイル

茨城新聞
2023年2月27日

 ■「体験型」1日3組限定

首都圏中央連絡自動車道(圏央道)稲敷インターチェンジ(IC)から車で約5分。くねくねとした細い道を行くと、のどかな風景の中にある「稲敷キャンプ場」。1日3組限定のプライベート感を重視したキャンプ場だ。入り口に立つ「IC(稲敷キャンプ場)」の小さな看板が目印だ。

オープンは2021年。運営するのは旅行会社「日中国際センター」(茨城県龍ケ崎市)だ。コンセプトは「体験型のキャンプ場」で、ピザ作りや、日本の文化に触れてもらおうと、「抹茶体験」や「着物体験」が用意されている。

「いらっしゃいませ」。到着すると、オーナーの岡村秀さん(29)とスタッフの中瀬古健さん(36)が爽やかな笑顔で出迎えてくれた。2人ともキャンプ場を切り盛りする傍ら、中国で俳優として活躍する。「成田空港から約25分。中国から俳優や監督が、美しい日本の田園風景を味わいに来ることもあります」と、岡村さんは紹介してくれた。

同キャンプ場は、3種類の異なるスタイルが用意される。ふかふかの芝生が広がる「貸し切りサイト」では、ドラム缶製の「五右衛門風呂」がある。まきで沸かしたお湯で、昔ながらのお風呂を満喫できるのが特徴だ。「(五右衛門風呂を)お目当てのリピーターも多い」という。

五右衛門風呂が人気の「貸し切りサイト」

 

また敷地内には、趣が異なる二つのコテージがある。それぞれにキャンプが楽しめるスペースも設けられている。子どもはテントで寝て、親はコテージを利用することもあるそうだ。

築30年の2階建ての母屋を改装したコテージ「母屋」では、友人同士や親戚の集まりなど大人数で楽しめる造りとなっている。一方のコテージ「納屋」は、梁(はり)を生かした造りで旅館のような雰囲気が漂う。裏庭では、キャンプスペースが広がり、春先はサクラを眺めながら、キャンプを楽しめそうだ。

愛知県在住の俳優、森川裕希恵さん(37)は「四季折々、日本の原風景が感じられる場所。リフレッシュできる」と話した。

岡村さんは「(ここの風景を)〝トトロの森〟だと喜ぶ子どももいる。田園風景や日本の伝統文化を楽しんでほしい」と話す。

■インフォメーション

住所…茨城県稲敷市犬塚862
利用料(1泊)…大人1万円(税込み)~、未就学児は大人料金の半額(季節で変動あり)。たき火台や炭、バーベキューこんろなどが付いている。単品でのレンタル品はなし。体験料金は1500円~(別途)。
予約はキャンプ場予約サイト「なっぷ」から。
問い合わせは同キャンプ場(電)070(8960)6688。
定休日なし。

《マナー》そろえたい大切な道具

道具をそろえる際の必須アイテムが三つある。「命を守るためにも大事」と、いばらきアウトドアセッションの光又新二代表(39)は力を込める。一つ目は寝袋の下に敷く「マット」。地面が底冷えする冬に限らず通年で準備したい。保温や翌日に疲れを持ち越さないためにも必要だ。

二つ目は「火に強い素材の服装とスパッタシート」。服はコットンやウール、難燃素材がお薦め。たき火台の下に敷く「スパッタシート」は自然を守るためにも新常識という。

三つ目は「1人1台のヘッドライト」。夜トイレに行ったり、手元を明るくしたりし、すぐに安心して行動できるようにしておくためだ。「首からぶら下げておくとよい」と光又代表。