福島・浪江町出身の牛来美佳さんが23日に復興支援ライブ 「震災のこと伝える歌い手に」 群馬・太田市
東日本大震災で被災した福島県浪江町の出身で、群馬県太田市で活動するシンガーソングライター、牛来美佳(ごらい・みか)さん(37)が23日、太田市民会館で復興支援ライブを開く。牛来さんは「震災のことを伝える歌い手になりたい。支えてくれる太田の皆さんに感謝の気持ちを込めて歌う」と意気込んでいる。
牛来さんは2011年の福島第1原発事故の後、太田に移り住んだ。高校生の長女と2人暮らし。太田での生活は12年となり、「避難という言葉に少し違和感を覚えるようになってきた」という。
昨年3月、代表曲「いつかまた浪江の空を」をキングレコードから配信リリース。今月22日に同曲のCD発売が決まった。ライブは18年から毎年、太田で開いており、今回が6回目。
昨秋、浪江町で開かれたイベント「復興なみえ町十日市祭」にゲスト出演した。「同年代の懐かしい顔がいくつもあり、少しずつ以前の姿が戻ってきている」と感じた。その一方、町内の建物が解体され、空き地が増えている現状も目にして、「何もない空間が寂しかった」。
震災直後は長女とは震災の話をほとんどしなかったが、「少し時間が経った今、震災を伝えるために歌うことについて話してもいいのかな」と思う。「ライブでは歌を通じて、当たり前のように過ごす日常の大切さを伝えたい」という。
前売券3000円、当日券3500円で、新作のCDが付く。小学生以下無料。問い合わせは太田市民会館(電話0276-57-8577)へ。
3月5日までクラウドファンディングでライブの費用を集めている。目標額50万円。ライブの収益は運営費や諸経費を除いて浪江町に寄付する。