《いばらき御朱印めぐり》下妻・大宝八幡宮 種類豊富、選ぶ楽しさ

茨城新聞
2023年2月17日

■関東最古、本殿は国重文

関東最古の八幡宮として知られる茨城県下妻市大宝の大宝八幡宮(だいほうはちまんぐう)。創建は701(大宝元)年、藤原時忠が大分県の宇佐神宮から御分霊を迎えたことに始まる。御祭神は誉田別命(ほんだわけのみこと)と足仲彦命(たらしなかつひこのみこと)、気長足姫命(おきながたらしひめのみこと)。金運や財運の御利益があるとされ、県内外から参拝客が後を絶たない。

御朱印は、御朱印帳に直接記帳するものと、色とりどりの和紙を使った書き置きのものと、大きく分けて2種類ある。

直接記帳する方は、墨書きで中央に「大寶八幡宮」としたためられ、その上から朱印が押してある。手がけるのは山内雄佑宮司をはじめとする神職だ。

和紙の方は、七五三や節分、あじさい祭りなど、季節の行事や祭りに関するイラストが右下に描かれ、約20種類ある。受験シーズンは特に男女の学生が「合格」と書かれた紙を持つ、合格祈願の御朱印が人気だ。イラストは同宮の巫女(みこ)が描いたものだという。

種類豊富な御朱印について、山内宮司は「選ぶ楽しさを感じてほしかった」と笑顔を見せる。特に和紙は一枚ごとに模様の出方が違うため、「自分だけの御朱印として大事にしてもらいたい」と語る。

木製の表紙が珍しい御朱印帳は3種類。春サクラ、夏アジサイといったように、季節に合わせた花が描かれたものと、無地のもの、正月限定のものがある。いずれも巫女が手作りした、御朱印帳を束ねるカラフルなバンドと和紙のしおりが付く。

直接記帳と和紙の御朱印、御朱印帳

 

 

歴史深い同宮の見どころは複数ある。まずは国の重要文化財になっている本殿。「大きさに注目してもらいたい」と山内宮司。

さらに、手水舎の近くにある「重軽石」は、参拝前後で重さが変わると言われている。悩みや相談事を神様に聞いてもらうことで、心が軽くなり、石の重さも軽く感じるのだという。

春から初夏にかけては、鳥居前駐車場近くにあるケヤキの木にフクロウが巣を作る。山内宮司によると、15年以上前から毎年見られる光景だといい、同宮の名物にもなっているそうだ。

時期問わず、全国から多くの参拝者を受け入れる大宝八幡宮。山内宮司は「お願い事をする前に、まずは、日常を無事に過ごせていることを神様に感謝してもらえたら」と話す。そうすることで「神様始め、周りの人にも、感謝の気持ちを持って接するようになり、事態が好転していくはず」とほほ笑んだ。

■メモ
アクセス…北関東道桜川筑西ICから車で約40分
住所…下妻市大宝667
電話…0296(44)3756
御朱印…直接記帳300円、和紙500円。オリジナル御朱印帳1200円。正月限定1700円
受付時間…午前8時半~午後5時。年中無休。