《土木遺産の路線 わ鉄を巡る(13)出川橋梁》高さ20メートルの貨物線
上毛新聞
2016年11月15日
出川橋梁(きょうりょう)は、わたらせ渓谷鉄道の廃線区間に架かる。国鉄足尾線時代、本山精錬所があった旧足尾本山駅に貨物専用線を渡していた。川面からの高さは20メートル近くあるといい、わ鉄が管理する橋では最も高い。
簡素な造りだが、かつてはトラス橋だった。わ鉄に引き継がれた国鉄時代の資料「橋梁実態調査」(1948年)に、この橋の詳細な記述があることがこのほど分かった。
資料によると、元々は明治時代の1890年代前半、後のJR九州につながる九州鉄道で使われた橋で、1912(大正元)年に国鉄足尾線に架け替えられた。トラス構造が細い線で描き込まれ、ピントラス橋の設計だったことが分かる。
ただ、当時の現場担当者は「強度不足で交換」との所見を書いている。53(昭和28)年に現在の橋に架け替えられた。
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