佐竹氏、那珂の軌跡 寺社文化財や史料展示

茨城新聞
2016年11月10日

那珂市に残る佐竹氏の文化にスポットを当てた「戦国大名・佐竹氏の軌跡」展が、同市戸崎の市歴史民俗資料館で開かれている。常陸佐竹研究会との共催。茨城新聞掲載連載「奥七郡からの出発 常陸佐竹氏の軌跡」記事と取材ポイント写真をはじめ、市内の佐竹氏関連寺社の文化財・宝物のパネル写真を掲示。貴重な原史料として、額田城主の小野崎昭通に送られた「伊達政宗起請文(きしょうもん)」や「額田城陥没之記」「戸村百姓起立発端」を展示している。12月11日まで(月曜休館)。

注目される史料の「起請文」は、ひたちなか市の民家から発見され、同資料館に寄託。小野崎昭通が佐竹氏を裏切って内通すれば、領地を保証すると約束した政宗の“密書”。「額田城陥没之記」には、小野崎氏の由緒や、佐竹本家との争いと額田城落城の様子、その後、逃避行する昭通の半生が描かれている。

「戸村百姓起立発端」は、佐竹氏の秋田移封に際して、家臣の戸村氏の一部は常陸に残って農民となった記録でもある。

そのほか、佐竹氏ゆかりの芸術文化として、上宮寺(那珂市本米崎)の「聖徳太子絵伝」、常福寺(同市瓜連)「拾遺古徳伝」「法然上人像」、雪村筆の正宗寺・滝見観音図にそっくりな弘願寺(同市下大賀)の滝見観音図の写真を紹介している。

同展に関連し、20日午前9時半から、同市福田の市中央公民館で、常陸佐竹研究会会長の冨山章一さんによる講演会「佐竹氏の魅力」が開かれる。同資料館(電)029(297)0080で予約を受け付ける。

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