朔太郎記念館 来春移築 前橋文学館対岸 広瀬河畔
ㅤ前橋市出身の詩人、萩原朔太郎(1886~1942年)の生家の一部である「萩原朔太郎記念館」の移転計画で、市は18日、現在の敷島公園(同市敷島町)から広瀬川河畔緑地(同市城東町)に移築し、来年4月から一般公開する方針を市議会市民経済常任委員会に報告した。
ㅤ予定地は、市が朔太郎に関する資料を展示する前橋文学館(同市千代田町)と広瀬川を挟んだ対岸。11月1日は朔太郎の生誕130年にも当たり、市は、一帯を市民や観光客が朔太郎を知るための文化的スポットとして、整備を加速する。
ㅤ記念館は元々、同市千代田町で明治20、30年代に建築された朔太郎生家の書斎、離れ座敷、土蔵の3棟(計約70平方メートル)で構成。1974~79年に同公園ばら園に移築され、土蔵には朔太郎関係の資料を展示してきた。ただ文学館と距離が離れ、十分に活用できないことが課題となっていた。
ㅤ移築先の緑地は市有地で、約920平方メートルの敷地のうち約380平方メートルを活用。移築に際して3棟はいったん解体し、同じ配置で復元する。移築費用は約7500万円を予定し、緑地内にあるあずまやなどは今月中に撤去する。市文化国際課は「文学館と一体となった活用を図りたい」としている。
ㅤ生誕130年に当たり、4月には朔太郎の孫に当たる萩原朔美さん(69)が文学館の館長に就任。同館などは年間を通じて記念企画展を開催している。広瀬川河畔では来年度の利用開始を目指して市民が休憩できるオープンスペース整備が進むほか、約3万点に及ぶ資料を保管する文学館収蔵庫の増築工事も予定し、街中の回遊性向上や観光振興につなげる。
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