仁王尊像、待望の復旧 常陸太田・佐竹寺、大震災で損傷
茨城新聞
2016年9月26日
常陸太田市天神林町の佐竹寺で25日、東日本大震災で被災し修復作業を終えた仁王尊像の入仏式が行われ、地域の住民ら約40人が復旧を祝った。江戸時代中期に造られた2体の仁王尊像は、屋根瓦が崩落した仁王門と合わせ5年半ぶりに復旧。地域の歴史遺産を残そうと住民たちが尽力し、関係者は「感無量」と喜んだ。
佐竹寺は平安時代末期から、約470年にわたり同市を拠点に栄えた佐竹氏の祈願寺として知られ、本堂は国の重要文化財に指定されている。
境内入り口の仁王門にある仁王尊像は「お仁王さん」として長く親しまれる。震災で倒れ、手の指やつま先などが損傷。仁王門修復とともに、寺の総代らが中心となって震災復興工事実行委員会を設立し、檀家(だんか)や天神林町の住民から資金提供を受けて復旧作業を進めてきた。
仁王尊像は石岡市在住の仏師に修復を依頼。約2年をかけて損傷箇所やひび割れの修復、剥がれていた塗料の塗り直しなどを行った。先月に作業が終わり、同月22日に仁王門に設置された。
これで一連の復旧工事が完了した形。同実行委の茂又一次委員長代行(78)は「皆さんの協力のおかげでなんとかここまで来られた。今日という日を迎えられて感無量」と話した。
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