陽明門の「東照大権現」修理終え取り付け作業 日光

下野新聞
2016年9月1日

 来春に「平成の大修理」を終える日光市山内の世界遺産、日光東照宮の国宝「陽明門」で31日、扁額(へんがく)「東照大権現」の取り付け作業が行われ、門のシンボルが3年ぶりに掲げられた。

 「東照大権現」は徳川家康(とくがわいえやす)の神号。扁額の文字は後水尾(ごみずのお)天皇の直筆を職人が彫って制作された。大きさは縦約107センチ、横約73センチ。2013年に取り外され、色彩などの修理が行われた。

 この日は朝から取り付け作業が行われ、4人の作業員が金具を使って扁額を固定し、角度を調整した。当時の天皇の文字が刻まれただけあって裏面まで重厚な造りで、朱や緑青、群青色が鮮やかな扁額が高さ約8メートルの唐破風(からはふ)軒下に戻った。

 修理を指揮する日光社寺文化財保存会によると、屋根の塗装や彫刻の取り付けはほぼ終了。「徐々に完成に近づいている。残りの作業に気を引き締めたい」としている。

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