希少種カンムリカイツブリひな2羽確認 鉾田・北浦

茨城新聞
2016年8月27日

鉾田市の北浦北部で、貴重な水鳥カンムリカイツブリの繁殖が今年も確認された。2009年以降で8年連続だが、例年より少ない1つがい。かろうじて関東唯一の繁殖地の地位を守った。北浦周辺の自然再生を進める会の川又利彦さん(68)が、ひな2羽の写真撮影に成功した。

カンムリカイツブリは準絶滅危惧種に指定されるなどの希少種。国内では琵琶湖と青森県で少数の繁殖が確認されているだけで、北浦は関東唯一の繁殖地とされる。川又さんによると、例年は親鳥とひなで10羽くらいは確認できるという。

7月5日午後、川又さんが新宮小の児童に環境学習を行った際、親鳥と一緒にいるひな2羽を目視で初めて確認した。前日に背中が盛り上がっている成鳥を見つけており、「背中にいるのでは」と予測していた。8月10日午後と24日正午に、沖合にいるところを望遠レンズで写真に収めた。

川又さんは「ひなは順調に育っているようだが、浚渫(しゅんせつ)工事の影響か、今年は1つがいしかいない。岸辺にも近づかないため、見つけるのが難しい」と話した。来年以降、繁殖期(4~10月)に工事を行わないよう要望したという。

川又さんらは4月、カンムリカイツブリと北浦北部の繁殖地を市の天然記念物に指定するよう申請している。

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