最も美しい眺望 中之条 ラムサール登録地を歩く

上毛新聞
2016年6月30日

ㅤ中之条町六合地区は、貴重な自然環境が豊富だ。昨年5月にラムサール条約湿地に登録された芳ケ平湿地群、湿地群の東端にある県指定天然記念物で深い緑色の光沢が美しいチャツボミゴケ公園―。町を代表する自然風景を同時に楽しめるツアーを町観光協会が設定したと聞き、日帰り体験ツアーに参加してみた。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
ㅤ標高2172メートル。中之条町からJR長野原草津口駅を経由したバスが、草津温泉から国道292号(志賀草津道路)を長野県方面に進むと、中之条町入山の日本国道最高地点にたどり着く。右に草津白根山、中央に芳ケ平湿原、左に針葉樹林が広がる眺望は、芳ケ平湿地群を一番美しく見られるポイントとして、ツアーの重要な行程になっている。
ㅤ体験ツアーが実施された日は霧がかかり、残念ながら眺望を楽しむことはできなかった。ツアー専属ガイドの木村正臣さん(53)は「これほど標高の高い絶景スポットなのに、車で訪れることができるのは本当に貴重。多くの人に、世界的に貴重な自然の全景を見てもらいたい」と勧める。
ㅤ気を取り直して、国の天然記念物指定を目指すチャツボミゴケ公園を訪れた。この公園は、かつて群馬鉄山と呼ばれた日本有数の鉄鉱石産地の跡地を、町が公園として整備した。強酸性の鉱泉に育まれるチャツボミゴケは、鮮やかなビロードのような深緑色の川面を作り出す。新緑の緑色とトーンの異なる緑色の共演が、参加者の目を楽しませた。
ㅤ観光関係の参加者は、自然の魅力とツアーの運営方法に感心したようだ。前橋観光コンベンション協会の藤田朱美さん(48)は「チャツボミゴケ公園は特徴的な緑色が美しい。駅からのバス運行や、環境を保護した上での遊歩道の設置など、赤城山のツアーの参考にしたい」と話した。
中之条町の四万温泉協会の山下晃平さん(24)は「地元の観光資源としてPRすれば、さらなる誘客につなげられるのではないか。旅館にパンフレットを配って、アピールするよう呼び掛けたい」と語る。
ラムサール条約登録を契機に貴重な生態系として注目を集める六合地区の自然は、観光関係者の関心も高く、東京や大阪の旅行会社もツアーを設定する。活用と保護の両立を考えながら、多くの人が訪れるスポットに育ってほしいと願った。

【メモ】中之条町観光協会による「ラムサール条約登録地を歩く 芳ケ平湿原とチャツボミゴケ公園散策ツアー」は、10月31日まで。午前10時ごろにJR長野原草津口駅に集合して、日本国道最高地点、昼食、チャツボミゴケ公園の行程で午後4時半ごろ同駅で解散となる。所要時間は6時間程度。料金は5700~7700円。問い合わせは同町観光協会(電話0279・75・8814)へ。

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