映画「64」後編が公開 横山さん続編意欲 出演者と舞台あいさつ
ㅤ元上毛新聞記者の作家、横山秀夫さん原作の映画「64(ロクヨン)」の後編が11日、全国東宝系で公開初日を迎えた。東京・有楽町のTOHOシネマズ日劇1で行われた舞台あいさつに主演の県警広報官役、佐藤浩市さんら出演者12人と共に登壇した横山さんは、警察小説「64」の続編を執筆する構想を明らかにした。
ㅤ横山さんが「後編も圧巻の出来で、『64』が映画に乗っ取られてしまったようですごく寂しい。『64』の続編を書こうかなと思っている」とあいさつすると、後編を見終えたばかりの観客約900人から大きな拍手が送られた。
ㅤ舞台あいさつには横山さん、佐藤さんのほか、綾野剛さん、榮倉奈々さん、夏川結衣さん、緒形直人さん、窪田正孝さん、坂口健太郎さん、滝藤賢一さん、吉岡秀隆さん、瑛太さん、永瀬正敏さん、三浦友和さんと瀬々敬久(ぜぜたかひさ)監督が登壇した。
司会者から後編公開初日の節目を迎えた心境を尋ねられると、佐藤さんは「3カ月強の撮影を終え、山の頂に登れてどんな景色が見えるかと思ったら、雲海で何も見えなかった。きょうお客さまの顔を見て、その雲が晴れ、やっと『64』という景色が見えた」と感慨深そうに語った。瀬々監督は「ラストが原作とはやや違っていますが、小説と映画のそれぞれの世界を楽しんでいただけたらと思っています」とあいさつした。
ㅤ「64」は地方の県警が舞台。7日間しかなかった昭和64年に発生し、「ロクヨン」と隠語で呼ばれる未解決の少女誘拐殺人事件をめぐり、広報官が所属する警務部と刑事部の内部対立を描く。撮影は前橋、高崎、桐生市などでも行われた。
ㅤ東宝によると、前編が5月7日に公開されてから、観客数は120万人を超え、興行収入は前後編合わせて40億円突破を見込んでいる。前編も全国東宝系で上映されている。