茨城空港利用55万4350人 15年度最多 国際線で挽回

茨城新聞
2016年6月4日

2015年度に小美玉市の茨城空港発着便を利用した年間旅客数は前年度比約1万6千人増の55万4350人に上り、10年3月の開港以来最多となったことが、3日までの国土交通省東京航空局のまとめで分かった。スカイマークの経営破綻の影響で国内線が減少に転じる一方、国際線は中国、台湾路線の新規就航が相次ぎ大幅に増加した。一方で4月以降、中国路線の一時運休や運航停止が相次いだことから、今後の減便を含めた路線再編の動きなどが注目される。

年間旅客数の内訳は、国内線が前年度比約1万5千人減の40万3700人で、2年ぶりに前年度を下回った。国際線は同約3万1千人増の15万650人で、過去最多を更新した。

国内線は、全路線を運航するスカイマークの経営破綻に伴い、最多で6路線(1日9往復)あった14年度に比べ、名古屋、米子の2路線の休止や札幌、福岡両線の減便により4路線(同5往復)に減少した。

県は利用促進に向け、昨年5~12月に国内線到着客に特産品ギフトカタログなどを無料配布するキャンペーンを展開。同10~12月には本県と栃木県の高校計17校が、修学旅行に同社チャーター機を利用した。

国際線は、週8往復運航する春秋航空(中国)上海線に加え、昨年7月に中国南方航空(同)深セン(しんせん)線、今年1月に中国国際航空(同)杭州(こうしゅう)線、3月にVエア(台湾)台北線と春秋航空の揚州・成都線が相次いで就航。開港以来最多の6路線(週21往復)となり、各路線が中国、台湾両国の観光客を中心に高い搭乗率を誇ったのも旅客数を押し上げる要因となった。

ただ、本年度に入ると、4月15日以降、揚州・成都線は一時運休となったままで、杭州線も今月22日を最後に運航停止となった。上海線の一時的な減便もあり、現在は4路線で週12往復の運航となっている。

中国路線の縮小について橋本昌知事は定例記者会見で「(中国経済減速の影響かは)判断がつかない。ほかの空港でも中国路線の運休や就航延期があるようなので、大変心配している」と懸念を示した。

一方、15年度の空港ターミナルビルの年間来場者数は140万2300人。過去最多の14年度と比べ約2万7千人の微減となったが、1日平均約4千人の高い集客力を維持。3月末には開港から累計700万人を達成した。

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