《輝け郷右衛門 新里から全国へ (上)》祭り初開催 多彩な顔ぶれ集結

上毛新聞
2016年6月4日

桐生市新里町ゆかりの戦国武将で「戦国一の交渉人」とうたわれた山上(やまがみ)郷(ごう)右衛(え)門(もん)を顕彰する祭りが11日、同市の山上城跡公園で初開催される。武者行列など市民参加型の行事が多数行われる。主催する地元有志を追う。
イラストレーターにお笑い芸人、保育士、歴史研究者、元新聞記者―。多彩な顔ぶれが桐生市新里町山上の城山幼稚園の園舎に集まった。「山上城郷右衛門まつり」の実行委員や協力者だ。
この日は親子20組も訪れ、祭りの武者行列や模擬合戦の際に着る甲冑(かっちゅう)を段ボールで作った。実行委員らは材料を手渡し、作り方を教えた。
実行委員の1人、お笑いコンビ「ワンクッション」の佐藤涼平さん(32)=同町出身=は今年4月に協力を頼まれ、「手伝えることなら何でも」と快諾した。子どもたちを楽しませながら、一緒に段ボールを切り抜いた。当日は郷右衛門役として馬に乗る。「古里のため」とうれしそうだ。
同町在住のイラストレーター、江原宣宏さんも呼び掛けに応え、祭りのキャラクター「郷くん」を作った。よろいをまとった目の大きな男の子だ。チラシのデザインも担当した。「子どもたちの反応は良い。参加型のイベントにしたい」と語る。
同町の着付け指導者、小沢笑子さんは来場者に着物を貸し出したり、ホースパーク新里は乗馬体験を行ったりと、地域が一体となって祭りをつくる。開催が近づくにつれ協力者の輪が広がり、来場を約束する人の数も増えている。
「来場者は200人ほどと思っていたが、2千人を超えそうだ」と、実行委員会代表で歴史研究者の本橋範雄さん(67)=同町。1台でも多く駐車スペースを確保しようと、草刈りの手配に取り掛かった。
山上郷右衛門
奥州藤原氏に生まれ、北条家臣として豊臣秀吉と対峙(たいじ)した。徳川家康配下として参戦した関ケ原の戦いでは、伝令将校として何万もの大軍を動かした。晩年は、現在の桐生市新里町山上で過ごしたとされる。

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