傾斜60度の石段、名物みこし渡御 潮来の金刀比羅神社

茨城新聞
2016年4月11日

潮来市永山の金刀比羅(ことひら)神社で10日、春の大祭が開かれ、傾斜約60度の急な石段「男坂」を下る、名物みこし渡御が行われた。重いみこしを担ぎ、氏子ら約20人が足元に気を付けながら一歩一歩ゆっくり石段を下りる様子を、地元住民が息をのんで見守った。

同祭は、田植えが始まる前のこの時期に、五穀豊穣(ほうじょう)と家内安全を祈願する祭りとして行われている。高台にある本殿から国道355号へと続く石段のうち、特に急傾斜の下半分約50段部分が男坂。正午に本殿を出発し、氏子らは太鼓の音に合わせ「せーの、よいしょー」と掛け声を響かせながら、男坂をゆっくりと約10分かけて下りきった。

男坂でのみこし渡御について巻嶋瑛宮司(70)は「昔は集落への通り道がここしかなく、この急な男坂をみこしで下りるようになった」と説明する。

氏子らは男坂を下った後、夜まで地域を練り歩き、緩やかな傾斜の「女坂」では、子どもたちが元気にみこしを担いで歩いた。

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