小澤征爾さん、水戸“凱旋” 芸術館で定期演奏会 3月25、27日 ベートーベン「運命」指揮
世界的指揮者、小澤征爾さんが率いる水戸室内管弦楽団(MCO)が3月25、27の両日、水戸芸術館(同市五軒町)で「運命」の名で知られるベートーベンの「交響曲 第5番」に初めて挑む。今月中旬、小澤さんが2013年に松本市で指揮した公演を収録したアルバムがグラミー賞最優秀オペラ録音賞に輝き、まさに水戸“凱旋(がいせん)”の定期演奏会となる。
プログラムは、小澤さんが指揮するベートーベンの「運命」と、指揮者なしで演奏するシベリウス「劇音楽『クオレマ』作品44より『悲しきワルツ』」、同じくモーツァルト「クラリネット協奏曲 イ長調 K.622」の3作品。クラリネット独奏はリカルド・モラレスさん。
同館音楽部門の中村晃芸術監督は「小澤さんのこれまでのキャリアの中で、ベートーベン作品は深く世界を掘り下げているレパートリーの一つ。とりわけ『運命』は、偉大な交響曲群の中でも、ひときわ高くそびえる傑作中の傑作」と強調。
「円熟の域に達した小澤さんが、この劇的な交響曲を大規模なフルオーケストラでなく、室内管弦楽団という規模で指揮することは大きな挑戦と言える。小澤さんとMCOでしか表現できない、精緻で魂のこもった演奏で観客を包み込んでいくはず」と期待を込める。
昨年7月の米ケネディ・センター名誉賞に続き、グラミー賞という新たな称号を重ねた小澤さん。“凱旋”となる今定演では、観客から熱い称賛を受け、熟達の指揮を披露する。
開演は25日が午後7時、27日が午後2時。チケットは既に完売し、キャンセル券は公演当日の午前9時30分から電話受け付けする。問い合わせは同館チケット予約センター(電)029(231)8000。
25日の定演は、NHK水戸放送局制作による総合2チャンネルで午後7時から生放送される予定。
■MCO活動の軌跡 写真50点で回顧 3月1日から
水戸室内管弦楽団(MCO)の四半世紀にわたる活動の記録をたどる写真展「水戸から世界へ 水戸室内管弦楽団-25年の軌跡」が3月1日、同館エントランスホールと京成百貨店(同市泉町)で始まる。31日まで。
水戸芸術館での定期演奏会や欧州公演、小澤征爾さんと吉田秀和・初代館長が歓談する場面などを集めた約50点を展示する。
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