鹿嶋の魅力、体験ツアー 留学生が観光情報発信

茨城新聞
2016年2月13日

鹿嶋市は市内の観光スポットを海外などに発信する狙いで、10日から12日までの3日間、外国人留学生らが参加した「鹿嶋市体験ツアー」を行った。市は事業を通して留学生のSNS(会員制交流サイト)による情報発信を促すとともに、体験談や意見を吸い上げて鹿嶋の魅力度アップにつなげていく考えだ。

同市を訪れたのは大分県別府市の立命館アジア太平洋大の留学生6人と日本人2人の計8人。鹿嶋市出身で同大1年の宇野輝紀さん(19)が市と連携を取り、学生仲間に参加を呼び掛けた。

一行は10日午後に鹿嶋入りし、11日から市内探索をスタート。市商工会青年部らを含め約30人が参加した神社仏閣を巡る「鹿嶋神の道」のウオーキング(約14キロ)では管理者の西岡邦彦さん(73)の歴史解説を受け、鹿島神宮、鹿嶋三社詣(まい)りの古道、夫婦塚古墳、鰐川に立つ一之(いちの)鳥居などを回りスマートフォンなどで盛んに撮影した。途中、豊郷まちづくりセンターで市民有志が用意したすしや焼き芋などの昼食を取り、おもてなしの心遣いに触れた。

同大1年でコロンビア人のファビアン・ガルシアさん(23)は「あんなに自然があり感動した。住みやすそう。ランチもおいしかった」と満足した様子。同1年でインド人のバサント・パリヤットさん(18)は「鹿嶋を他の人に知ってもらうことが大事。フェイスブックに載せて皆に伝えたい」と話す。一方で日本語が話せない人向けに「(東京)オリンピックまでには英語ができるガイドがいた方がいい」と指摘した。

同市の鹿島神宮周辺は2020年東京五輪・パラリンピックに合わせ外国人の観光客増が期待される。今回の企画は受け入れ体制づくりの一環。市まちづくり政策課は「留学生がSNSで鹿嶋を発信してもらうのは、市が発信するよりも効果がある。インバウンド(外国人の来客)を意識した取り組みを今後も企画していきたい」と話した。

一行は最終日の12日、新日鉄住金鹿島製鉄所や鹿島アントラーズの本拠地、県立カシマサッカースタジアムなどを見学した。

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