「おもてなし」力向上へ 来月講座 観光マイスターに282人認定
茨城県の観光振興に向けて県は、県内観光に関する知識とおもてなしの心を併せ持つ観光分野の人材養成に乗り出した。昨年末、本年度創設した県独自の「いばらき観光マイスター」に282人を認定したほか、県民向けにおもてなし講座を来月にかけて県内6会場で順次開催する。2月20日開幕の「水戸の梅まつり」など観光シーズンの本格化を前に、県を挙げて観光魅力のPRを含めた「おもてなし力」の向上に力を入れる。
2014年11月に施行された「いばらき観光おもてなし推進条例」を受け、県が進める「おもてなしレベルアップ事業」の一環。「おもてなし」は「郷土への誇りと愛着を持ち、心からの笑顔、あいさつなどで観光客を温かく迎えるとともに、地域の魅力を伝え、『訪れてよかった。また行きたい』と思えるようにすること」と定義付けている。
観光マイスターは、観光案内する上で十分な知識と接遇マナーを有していることが要件とされ、さらにレベルの高い「S級」との2段階。県は、マイスターの肩書きを観光名所や宿泊施設のPRに役立ててもらう考えで、今後はおもてなし講座などの講師としても活用していく。
初のマイスター試験は昨年11月末、県8会場で実施し計366人が受験。タクシー運転手や観光施設従業員、観光ボランティアなど282人が合格した。マイスター認定者を対象とするS級試験は2月4日と7日、観光案内を想定した集団面接により実施される。
おもてなし講座は昨年7~8月に続き2回目で、28日に開かれた水戸会場の講座にはマイスター認定者を含め約110人が受講。
講師の日本おもてなし推進協議会の古川智子理事長は「観光客は出会った人を通じて、県のイメージを判断する。観光事業者だけでなく、県民一人一人が県のブランドを背負っている」として、県民総ぐるみの取り組みを呼び掛けた。
19年に茨城国体、20年に東京五輪を控え、県はマイスターを千人規模に増やす考えで、「県を挙げて機運を醸成し、おもてなし日本一を目指していく」と意気込んでいる。
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