《釣り》茨城・大子の久慈川でアユ友釣り教室 「引き十分」 参加者、釣果に満足
6月の「アユ解禁」からおよそ2カ月。茨城県内各河川ではアユの「友釣り」をする釣り人の姿が多数見られる。シーズン真っ盛りの今月16日、大子町大子の久慈川と支流・押川の合流点周辺でアユの友釣りが体験できる「久慈川アユ釣り教室」(大子町、久慈川漁業協同組合共催)が開かれた。
友釣りは縄張りを持つアユの習性を利用し、おとりを追い出そうとするアユを針に掛ける独特の釣り方。しかし川の流れやアユが好む環境、習性を知らないと難しく、おとりを付けたさおの操作も簡単ではない。初心者にはなかなかハードルが高く、他の釣りに比べアユ釣り愛好者の平均年齢はやや高めというのもうなずける。
初回の教室には県内外から応募した20人が出席し、女性も4人参加。初めに漁協組合員が、春に海から川へ遡上(そじょう)し、夏に成長。秋に河口へ下って産卵し、冬にふ化した稚魚が河口周辺で過ごすアユの1年を説明した。
さらにアユの習性や岩に付着した「アカ」と呼ばれる藻類を食べて成長する生態などを解説。その後同漁協の組合員18人に付き添われた参加者は、30~50メートルの間隔で押川に入り、ほぼマンツーマンで指導を受けながらさおを振るった。
指導に当たった同町在住、県立大子清流高校教員の平野幸秀さん(45)は「指導役は3回目。おとりアユを弱らせないよう、あまり強く引かないことだけ注意した。参加者の皆さん勘がいいですよ」と話した。
埼玉県川口市から応募し、普段は船釣りがメインという下浦篤史さん(50)、美喜さん(50)夫妻はそれぞれが約20センチ1匹を釣り上げた。篤史さんは「引きは十分楽しめたが、最初のアタリに気付けなかったのが残念」と悔しがりながらも楽しげ。
東海村から親子4人で参加し、釣果2匹の山内愛菜さん(26)は「手応えは十分あった。食べるのが楽しみ」と獲物を手に満足げに話した。
同教室は、アユ釣りを通して自然に親しみ、釣りの楽しさを味わうとともに、近年減少している釣り人口の回復につなげようと4年前に始まった。町振興公社の石井和宏さん(45)は「アユ釣りをきっかけに大子にまた来ていただき、町振興につながれば」と期待を寄せている。同教室は8、9月に常陸大宮市でも開かれるが、いずれも定員に達して締め切った。