《釣り》アユ遡上、昨年より多め 茨城県内河川、6月1日解禁 体長8センチ確認

茨城新聞
2022年5月30日

茨城県内のアユ釣りが6月1日、解禁となる(一部支流は7月1日)。久慈川と那珂川での投網調査で遡上(そじょう)を調べてきた県水産試験場内水面支場は昨年同期を上回るアユを確認しており「昨年に比べて那珂川はやや多め、久慈川は多め」とみている。

新型コロナウイルスの感染収束が見通せない中、天候さえ良ければ1日は多くの愛好者らが「初物」を求めて、県内河川に繰り出すとみられる。漁協関係者らは「密にはならないだろうが、釣り人には隣との距離を取るよう注意を促していく」としている。

同支場によると、2月中旬に久慈川、3月中旬に那珂川の調査地点で遡上が初確認された。3月中旬時点で久慈川では体長8センチ強、平均31匹。那珂川は8センチ弱、平均21匹が確認され、いずれも昨年より多かった。他の河川も同様の傾向にある可能性は高い。

河川の水温は気温に左右される。3月の水温は例年より2、3度低めで推移したが、4月は2、3度高めだった。この上下が天然アユの成長や河川への回帰率に「影響として表れるのかどうか見守りたい」としている。

県内各漁協では今月末までに昨年並みの放流を実施。漁協関係者からは「6月は放流アユが大きいが、シーズンが深まれば天然物も成長して追い付く。はみ跡も見られるので、遡上は多いようだ」との声が聞かれた。

東日本大震災以降、日釣り券の売り上げは減少の一途。遊漁者減に歯止めがかかっていない。組合員の高齢化と減少など課題のある中、近年は放流に頼らず「資源として増やす」ことを狙いに、河川の力を生かした持続可能な繁殖の試みも続けている。各漁協は水圧によって硬くなった河床を、重機やエンジンポンプで耕し「浮き石」状態を造成して、アユが産卵しやすい環境を整えるなどしている。

アユの産卵時期に合わせ、久慈川漁協では今年も川を下るアユを保護するため、10月1~7日、全域で休漁期間を設ける方針。

県内各漁協の放流状況
【久慈川】5月下旬までに、福島県境から常陸太田市内にかけて9カ所で放流、6月下旬には各支流でも予定し、合計は2000キロ。本流は6月1日午前5時解禁。八溝川、里川や押川などの各支流は7月1日午前5時解禁。アユ資源保護のため10月1~7日の1週間は全域で休漁。久慈川漁協(電)0295(52)0038。