冠や耳飾り出土品修復 茨城県立歴史館 三昧塚古墳展で紹介
国の重要文化財、三昧塚(さんまいづか)古墳(茨城県行方市)出土資料の修復を紹介する企画展「ビフォー・アフター三昧塚古墳」が、水戸市緑町の県立歴史館で開かれている。3月に修復を終えた出土品26点などが展示され、5世紀~6世紀初めごろの豪族の面影、装いをうかがうことができる。6月19日まで。
見どころは修復の成果。2019年から約3年かけて修復された冠や耳飾り、馬具、鉄剣、埴輪(はにわ)などが並ぶ。修復前の出土品の写真も展示され、見比べることで修復箇所を確認できる。
目玉は、金銅製の冠「金銅馬形飾付透彫冠(こんどううまがたかざりつきすかしぼりかんむり)」。工夫されたデザインが特徴で、上部に馬の形の装飾が施され、中央部は植物の模様、下部は波の模様になっている。長さ60センチ、高さ9.4センチで、古墳の主の威厳を示すものとされる。修復で、さびの除去、さび止め、細かな劣化部の補強などをしたという。
三昧塚古墳は、古代の豪族の墓として築かれた前方後円墳(全長82.7メートル)。1955年、霞ケ浦の堤防建設をきっかけに発掘された。見つかった石棺とその周りから金銅製の装飾品や副葬品が出土した。出土資料は、2018年に国の重要文化財に指定された。
同館学芸課首席研究員の小沢重雄さん(58)は「修復の前後の違いに気付いてもらえれば」と語る。午前9時半~午後5時。月曜休館。一般350円、大学生180円、満70歳以上170円、高校生以下無料。問い合わせは同館(電)029(225)4425。