雪村の肉筆画や書簡 茨城・笠間稲荷美術館 開館40年、28日まで特別展示
茨城県笠間市笠間の笠間稲荷美術館(塙東男館長)で、開館40年を記念し、茨城県ゆかりの画僧、雪村の所蔵作品が特別展示されている。慈しみとユーモアに満ちた人物画や、大胆な構図の山水画、身近な野菜を題材にした作品などが並ぶ。28日まで。
同館は1981年開館。笠間焼が影響を受けた中世六古窯(信楽・常滑・瀬戸・越前・丹波・備前)の古陶器をはじめ、雪村や現代花鳥画の大家、上村淳之氏の作品など多くの名品を所蔵する。
雪村の作品を集めるようになったのは、開館して間もないころ。作品の海外流失を防ぐため、初代館長の故塙瑞比古氏が美術関係者から協力を依頼され、その後、「金山寺図屏風(びょうぶ)」(六曲一双)などを収集・所蔵するようになった。
本展は、雪村顕彰会(冨山章一会長)が主催する連携型雪村展「雪村芸術観て歩き展-生誕地・茨城からの発信-」の一つで、常陸大宮市と常陸太田市も作品展示の会場となった。同館では「芦葉達磨(ろようだるま)・山水図」「寿老人図」「瀧山水図」など所蔵作品13点を公開。雪村の書簡や「百馬図帖(鹿島神宮蔵)」の写真など関連資料も展示している。
塙敬比古副館長は「茨城ゆかりの雪村の肉筆画を通じ、奥深い芸術に触れていただければ」と呼び掛けている。入館料は一般500円。問い合わせは同美術館(電)0296(73)0001。
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