ピピロッティ・リスト展 横になって表現鑑賞 9月1日から水戸芸術館 主要作品38点
スイス出身の女性アーティスト、ピピロッティ・リストさんの企画展が、水戸市五軒町の水戸芸術館現代美術ギャラリーで開かれる。ジェンダーや環境問題など現代社会が直面する切実なテーマを、ユーモアのある映像と心地良い音楽などで表現。「リラックスさせながら、考えさせる」色鮮やかで個性的な映像世界を体験できる。会期は9月1日から10月17日の予定。
タイトルは「ピピロッティ・リスト Your Eye Is My Island-あなたの眼はわたしの島-」。1980年代から今年の最新作まで、過去30年以上の間に発表した主要作品38点を展示する。
目玉は、2016年発表の「4階から穏やかさへ向かって」。天井からつるしたパネルに映した水中の映像を、寝心地の良いベッドに横になり、上を見上げて鑑賞する作品。全身を緩め、リラックスさせながら、映像に込めたメッセージなどを伝える内容だ。
そのほか、床に敷かれたカーペットに座って鑑賞する作品などもあり、鑑賞者が思い思いの姿勢で、くつろぎながら作品に接することができる。見る側への「おもてなし」が独特で、どの作品も色彩が鮮やかだ。
ピピロッティさんは1962年生まれ。実験的な映像表現を探求し、80年代後半からビデオインスタレーションで活躍。97年のベネチアビエンナーレに出品した「永遠は終わった、永遠はあらゆる場所に」で若手作家優秀賞を受賞し、国際的な評価を得た。
会期は当初、8月7日からの予定だったが、同館が水戸市新型コロナウイルス感染症対策本部の方針を受け、同6~31日まで臨時休館となったため変更された。開幕日は、今後、新型コロナ感染拡大の影響で再度変更の可能性もある。
午前10時~午後6時。入場料は一般900円、高校生以下・70歳以上など無料。問い合わせは同館(電)029(227)8111。
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