茨城・JR日立駅自由通路10周年 ガラスに「海」装飾 飲食店では記念メニューも
茨城県日立市出身の建築家・妹島和世さんがデザイン監修を手掛けたJR日立駅と自由通路が供用開始から10周年を迎え、市と市観光物産協会による記念プロジェクトが始動した。自由通路を中心にステッカーを貼り付ける装飾や、同駅の歴史をたどる写真展などがスタートし、海側に突き出した飲食店では記念メニューも提供されている。秋には妹島さんのドキュメンタリー映画上映なども予定されている。
「海が見えるガラス張りの駅」として知られる同駅と自由通路は2011年4月にリニューアルオープン。ガラスが多用され、東側からは雄大な太平洋が見渡せる。
記念プロジェクトは市シティプロモーション推進課が取り組む「日立市ってホントはすごいんです!」プロジェクトとして実施。駅装飾は、自由通路などのガラス面に大小さまざまな水玉や波、海をイメージしたステッカーを貼り、駅全体で「日立の海」を演出するのが狙いだ。同課は「新型コロナウイルスの影響で市内海水浴場は開設されないが、ステッカーで夏休みの時期に爽やかな海を感じてほしい」と説明する。
中央口隣の日立駅情報交流プラザ「ぷらっとひたち」では、大正時代の1916年から現在までの同駅を14枚の写真で振り返る写真展のほか、市内事業者の菓子やコーヒーなど「日立の味」を自宅で楽しんでもらうフェアも行われている。これらは、8月31日まで展開される。自由通路の突端にあるシーバーズカフェは、記念メニューとして彩りも鮮やかなドリンクとドーナツを販売中だ。
10月には、大阪芸術大の新校舎の設計から完成までを描いたドキュメンタリー映画「建築と時間と妹島和世」を、同市東滑川町5丁目の商業施設「シー・マーク・スクエア」内の映画館シネマサンライズで上映。妹島さんと西島立衛さんが主宰する設計事務所SANAAの建築展も日立駅で開催予定だ。冬には昨年に引き続き、自由通路をサクラ色に染めるイルミネーションイベントも予定されている。
同課は「10周年に改めて妹島さんデザインの建築物にスポットライトを当て、日立駅を味わってほしい」としている。
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