取手市 利根川「小堀の渡し」無料運航 22日~3月8日まで

茨城新聞
2020年2月12日

取手市は、利根川下流域唯一の渡し船「小堀(おおほり)の渡し」の無料運航を、新船が就航する3月1日前後に実施する。2月22日から3月8日までの16日間限定で、新船に親しんでもらうことなどが狙い。市水とみどりの課では「新船に乗ってもらい、何度も利用してくれる人が増えれば」と期待している。

無料運航は2月29日まで現在の船で、新船就航式の開かれる3月1日は新船と現在の船(ともに午後から)、同2日からは新船で実施される。船の入れ替えは約30年ぶり。船頭4年目の栗林正弘さん(50)は「新船は後部からも景色を楽しめる造りになっている。今以上にゆったりと水の上の時間を楽しめるようになる」と話す。

小堀の渡しは、1914年に同地区の住民が始めた渡し船。67年に取手町(当時)が運航するようになった。2001年から有料化(同地区住民や未就学児などは無料)され、現在は片道200円、往復約50分の観光船として県内外から訪れる人を迎え入れている。

現在の船は、1989年に運航を開始した。市は老朽化したことなどから、新船の造船を進めていた。無料運航は現在の船へのお別れの意味合いも持つ。

残りわずかの運航となった現在の船に乗った取手市の飛び地、利根川対岸の小堀に住む主婦(64)は「息子3人が小中学校の通学で利用していた。この船には思い入れがある。利根川の上を優雅に、安全に運んでもらった」と語った。

地図を開く 近くのニュース