赤城を生ハム名産地に ブランド化へ小売店、生産者団体 前橋・エーアンドブイ

上毛新聞
2019年4月12日

 前橋市三夜沢町で「林牧場福豚の里 とんとん広場」を運営するエーアンドブイ企画(同所、林智浩社長)は、施設内に赤城山麓で作ったプレミアム生ハムを販売する「ヒュッテ ハヤシ」を開店した。この拠点を活用して今後、地元養豚農家に生ハム作りを教えて生産者団体を立ち上げ、「赤城山の生ハム」をブランド化したい考え。林社長は「赤城山をイタリアのパルマのような一大産地にし、活性化させたい」と意気込む。

 林社長はドイツなど欧州の有名産地で生ハムの製造技法を学び、5年ほど前から生ハムを販売している。今回は生ハムなど豚加工品の付加価値をより高め、周囲の生産者も巻き込んでブランド化しようと店舗を改装。「ヒュッテ ハヤシ」を「赤城山の生ハム」の発信拠点にする。

 店舗の内装は生ハムの保管庫や山小屋をイメージし、石積みやまきストーブをデザインに取り入れた。パッケージもシンプルでおしゃれなものに一新し、「プレミアム生ハム」ブランドとして確立する。

 地元養豚農家には無償で生ハム作りを教え、生産者による協会の設立を目指す。また、生ハムの塩漬け期間が国内の法律では欧州の4倍ほどかかることから、より欧州に近い方法で作れるよう「生ハム特区」の申請なども検討していく。

 豚肉を発酵させて作る生ハムは、その土地にすむ酵母や乳酸菌などが作用して味が決まるため、独自の味わいになるという。林社長は「赤城山で作った生ハムは唯一無二の存在で、強力な呼び物になる。赤城山の養豚農家で手を取り合って、ブランドをつくっていきたい」と力を込める。

 同社が運営するとんとん広場は、林牧場のオリジナルブランド「福豚」を食べられるレストランがあるほか、ウインナーソーセージなどの加工品も販売している。

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