竹灯籠で地域おこし 協力隊員や学生「プロジェクト」 前橋・千本桜で6日披露

上毛新聞
2019年4月4日

 タケで作った「竹灯籠」で地域を盛り上げ、荒れた竹林を整備する仕組みを作ろうと、前橋市の地域おこし協力隊員や高崎経済大生らが協力して「かぐやプロジェクト」を立ち上げた。6日に前橋市苗ケ島町で始まる赤城南面千本桜まつりで作品をお披露目予定だ。サクラの名所を舞台にした初のイベントに向け、メンバーは準備を進めている。

 竹灯籠は、切り出したタケを干した後、適当な長さにし、耐久性を高めるため火であぶる「油抜き」の作業をする。電気ドリルで文字や模様になるよう穴を開け、発光ダイオード(LED)を通して完成。タケの持つ自然の風合いと、そこから漏れるLEDのほのかな明かりが魅力だ。

 プロジェクトの中心となる同市地域おこし協力隊員の落合宏美さん(43)は、赤城山振興をメインに活動する。地域にあるものを使った活性化を探っていたところ、イベントで竹灯籠の柔らかな光に出合った。

 「『竹林の手入れに手が回らず、困っている』との声を聞いたので、地域ごとにキャンプやホタルの鑑賞会などで竹灯籠を使ってもらう中で、力になれないかと思った」と振り返る。

 協力したのが、ボランティアでタケを切り出し、竹灯籠でイベントやワークショップの経験を重ねていた高崎経済大4年の桜井蓮さん(21)と3年の海老沼尭さん(20)だ。元下仁田町地域おこし協力隊員の小池準さん(37)や、高崎市でアウトドア用品販売を手掛ける落合一雄さん(62)も一肌脱ぐ形で参加し、昨年12月に地域や年齢を超えたプロジェクトとして動きだした。

 千本桜まつりでは、星形のオブジェをはじめ、仕事や授業の合間を縫って制作してきた竹灯籠が温かな光で来場者を出迎える。目指すのは、タケを有効活用することで竹林を整備していくサイクル。現在はボランティア的な活動だが、本格的に展開するには資金や産業廃棄物処理の資格が必要になる可能性もある。

 ハードルは多いが、メンバーは「まずはタケの美しさを知ってもらうため、千本桜の竹灯籠をたくさんの人に見てほしい。何とか軌道に乗せて、竹林整備につなげたい」と意気込んでいる。