益子焼に新ブランド 和でもなく洋でもなく 皿、カップなど日用品 25日から都内で販売

下野新聞
2019年1月22日

 益子町は、日本民藝館(東京)館長のプロダクトデザイナー深澤直人(ふかさわなおと)さんや町内3窯元と連携し益子焼の新ブランド「BOTE&SUTTO」(ボテ&スット)を開発、25日から都内の「イデーショップ六本木店」で販売する。さまざまな作風のある益子焼だが、手仕事にこだわったブランドの一つとして売り出す。

 深澤さんは携帯電話や無印良品のデザインなどで知られ国際的に活躍する。日本民藝館は、町内で作陶した人間国宝濱田庄司(はまだしょうじ)(1894~1978年)らが進めた民藝運動の拠点として生まれたゆかりもある。

 ボテ&スットは、和でも洋でもなく食卓の定番として幅広く使えるなどをコンセプトに、濱田窯、清窯、道祖土和田窯などが試行錯誤を繰り返し開発。皿やボウル、飯わん、カップなどの丸みを帯びた「ボテ」、直線的な「スット」の計36アイテムが出来上がった。

 全てろくろをひいて作り、1点1点違う指跡の濃さにこだわった。伝統的な釉薬(ゆうやく)を使い、色は白と黒の2種類。とりわけ白の並白釉は単独で使うことはまれで、焼き物関係者には「すっぴんのようなもの」と言われる質感をアピールする。税抜き1千円から。

 希望する窯元にはボテ&スットを製作してもらう方針で、益子焼産業の下支えを狙う。大塚朋之(おおつかともゆき)町長は「売り方のチャレンジの一つ。どのような反応があるか楽しみ」と話した。

 25日午後6時半から、イデーショップ六本木店で、深澤さん、大塚町長、3窯元による「トーク&レセプション」が行われる。