《食いこ》テネレの木(守谷市) 「遠」「近」の味 出合う場所

茨城新聞
2018年12月9日

守谷市にあるカフェとお食事「テネレの木」は風格ある和のたたずまいながら、地元の食材を使った和洋どちらの料理も味わえる。風情ある庭を眺めながらの食事は格別だ。

地元の特産品を集めたアンテナショップの店長を務めた経験のある亀田陽子さん(45)が会社「亀福」を立ち上げ、昨年11月に開いた。店長時代に同市産の食材の魅力を知り「地元で頑張っている生産者の料理を地元で提供したい」と考えた。店舗は約40年続いたすし・会席料理店の建物や調度品をほぼそのまま生かした。テーブル席のほか個室やカウンター席もあり、思い思いに過ごせる。

テネレの木は実際にアフリカのサハラ砂漠の真ん中に生えていた1本の木。西アフリカのニジェールの寓話(ぐうわ)を集めた絵本「ニジェール物語」に登場する。文章を書いたのは、亀田さんと一緒に会社を立ち上げた福田英子さん(61)で、同国の子どもたちを支援する一般社団法人「コモン・ニジェール」(本部・守谷市)の代表理事。亀田さんは「テネレの木は隣との木の間が200キロ以上離れていて、砂漠を旅する人やラクダの休憩所だった。この木のように人や物が集まる憩いの場所にしたい」。店のシンボルのようにテネレの木の絵が飾られている。

日本料理とフランス料理の経験をそれぞれ重ねた2人の料理人が腕を振るう。同市や近郊の農家から届く新鮮な野菜、市内の藤井商店から仕入れる同市産常陸牛など食材は地元産をふんだんに使う。旬の食材を使った“和フレンチ”の「をちこち」ランチは20食限定。ガレットは同市産そば粉を使う。常陸牛のハンバーガーは市内のパン店特製のバンズに挟む。ドリンクは「ミルク工房もりや」の飲むヨーグルトやさしま茶の和紅茶ほか、アフリカ産のコーヒーも。

店の一角に、亀田さんが選んだ菓子や雑貨、フェアトレード(公正な貿易)のコーヒーなどの販売スペースを設けた。市内のレストランと開発したハーブティーやアフリカ・中東向けに作られたさしま茶の緑茶なども並ぶ。

ランチのをちこちは漢字にすると古語の「遠近」。ここは遠くと近くが出合う場所でもある。

■お出かけ情報
テネレの木
▼住所は守谷市大柏1114の2
▼営業時間は午前9時~午後9時
▼定休は水曜・第3木曜
▼(電)0297(21)3208

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