大子のリンゴ 「宝紅」、甘さと酸味 初出荷前に目揃え会

茨城新聞
2018年10月17日

大子町産リンゴのオリジナル品種「奥久慈 宝紅(ほうべに)」の初出荷を前に、JA常陸大子町りんご部会(仲野広部会長)は16日、同町池田の同大子支店で出荷基準を統一する目揃(めぞろ)え会を開いた。本格販売は数年後になるが、先行するリンゴ園は1キロ約800円で販売。同部会は観光客向けの主力商品に育てたい考えだ。

宝紅は小玉で蜜の多い「こうとく」に、甘くて人気がある「ふじ」を交配。食感が良く、甘さの中に程よい酸味があり、蜜が入ることもある。完熟期は10月中旬から11月上旬で、同町の紅葉シーズンに重なるため、販売にも大きな期待がかかる。

目揃え会にはリンゴ園主など約20人が出席。同町頃藤の県農業総合センター・山間地帯特産指導所で収穫した宝紅をモデルに、1個300~350グラム、8割は着色して濃赤色、表面の荒れが少ないものを「秀品」。秀品と比べて大小があり、5割以上着色して鮮赤色、荒れが多少あるものを「優品」とした。糖度はともに14度以上などの基準を決め、品質が良いものだけの販売を確認した。

今秋は約1トンの収量を見込むが、適格品の量は限られるため、それ以外は試食用とする。仲野部会長は「3~5年たてば、ほとんどのリンゴ園で販売できる。人気が高いふじが出回る前のリンゴとして、宝紅の名を広めたい」と話した。

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