《まち里歩き(MACHI SATO ARUKI)》スタート地点 中居公園(高崎市中居町) 住宅街に秋の気配
JR高崎駅から東へ約3キロ、高崎競馬場通りの北側にある中居公園(高崎市中居町)は球技ができるグラウンドやテニスコート、滑り台などの遊具がそろう。木々に囲まれた公園を出発し、市街地を歩いた。
公園では、近くに住む3歳の双子の兄弟、尾上和生ちゃんと悠人ちゃんが砂場遊びに夢中。母親の聡子さん(40)は「たくさん外で遊ばせられる季節になった」と優しく見守る。ブルドーザーが好きという和生ちゃんと赤いスコップがお気に入りの悠人ちゃんと別れ、中居公民館に向かった。
同館は英会話やキッズダンス、合唱など62のサークルが定期的に利用している。「地域の皆さんが協力的で、活動も活発」と館長の土屋充代さん(66)=写真。土屋さん自身も読み聞かせのボランティアとして30年以上、同館と関わってきたという。図書室をのぞくと、ヨガサークルが和気あいあいと活動中。講師を務める鍼灸(しんきゅう)師の菅野正さん(69)の声に合わせて、参加者がゆっくりと体を動かしていた。
競馬場通り沿いのサトウ園芸を訪ねると、スタッフが花の苗を園芸店に出荷するための作業をしていた。秋の植え替えに向け、今は約100種類のビオラやパンジーを育てているという。社長の佐藤勲さん(54)は「気候や温度変化には気を使う」と、丁寧に苗を扱っていた。
東へ向かい、中居緑地帯通りを歩いた。住宅街に入ると、ハナミズキの葉が色づき、真っ赤な実を付けていた。
中居団地を抜け、進雄(すさのお)神社(同市柴崎町)に立ち寄った。869(貞観11)年に疫病が流行した際、愛知県の津島神社から招いた神様をまつったそうだ。現在の本殿は1991年に造営。近年は御朱印ブームで参拝に訪れる人も多いという。宮司の高井正文さん(68)は「地域やお参りした方たちの健康、子孫繁栄をお祈りしている」と話していた。
高崎中居小の近くから散歩しながらお参りに来たという善如寺英子さん(90)と佐藤郁子さん(90)に会った。40年来の友達という2人は「一緒に散歩するのは楽しい」「カラオケとか趣味も合うの」と声をそろえ、本当に仲が良さそうだった。
境内の一角に鳥小屋があり、クジャクやチャボ、シチメンチョウなど20羽ほどが飼育されていた。先代の宮司で、高井さんの父の重男さん(91)が約30年前、趣味で飼い始めたという。
残念ながらクジャクが羽を広げるところは見られなかったが、秋の澄んだ空気をたくさん吸うことができた。
(文化生活部 天笠美由紀)
≪コースの特徴≫
街中の平たんな2.2キロのコース。大きな通りは車の往来に気を付けたい。
【寄り道したら】Yoshida-Ya ほんのり甘い食パン
静かな住宅街にあるパン店。1991年に中居公民館近くで創業し、今年5月にオーナーの吉田武憲さん(53)が実家を改装して現在地に移転した。
「添加剤や保存料を使わないので、その日のうちに食べてほしい」と吉田さん。定番の「ベーコンエピ」(151円)や「ジャーマンポテト」(129円)など常時30種類をそろえる=写真。
卵やバターをたっぷり使った人気の食パン(302円)は、ほんのり甘めで耳が薄いのが特徴。
季節ごとに新作も用意する。クルミやレーズン、オレンジピール入りの「田舎パン」(140円)、香り高い「イタリアンマロン・クリーム」(118円)など秋らしい商品が並ぶ。
午前9時~午後7時。日曜・祝日休み。問い合わせは同店(☎027・353・0813)へ。
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