結成65年 最後の展覧会 新世紀美術協茨城支部 24日まで 茨城・日立

茨城新聞
2025年2月21日

美術団体「新世紀美術協会」茨城支部による最後の展覧会が24日まで、茨城県日立市幸町の日立シビックセンターで開かれている。高齢化や会員数の減少などを理由に、同支部は3月末で65年の歴史に幕を下ろす。会員9人と元支部長が枠にとらわれない自由な発想で描いた過去の力作や最新作計62点を展示している。

同支部は1960年に結成され、自由な作風が特徴。会員数は最大28人で、デッサン会や宿泊を伴うスケッチ会を行うなど技術の研さんを図ってきた。ただ、近年は会員数は減少傾向で、現在は市内在住者を中心に60~80代の男女9人のみとなった。

会場には旅先の風景や人物などを描いた油彩画や水彩画など個性的な作品が多く並ぶ。また、東日本大震災の記憶の風化防止を目的とした社会派作品や鮮やかな色使いが目に留まる独創的な抽象画、スプレーを使用するなど技法に凝った多彩な作品が楽しめる。

初日の19日は多くの関係者や絵画愛好家らが来場。「もったいない」など解散を惜しむ声が聞かれた。市内から訪れた入江英子さん(82)は「(会員は)個性的ですてきな作品を作っている。最後とはいわず、今後も頑張ってほしい」とエールを送った。

渡辺正則支部長(77)は「個性豊かな絵が楽しめる。自分たちの足跡を見てもらえれば」と話した。午前10時~午後5時(最終日は同4時まで)。