畳座席に掘りごたつ席まで… 栃木・日光と福島・会津を結ぶ野岩鉄道の“観光列車”がお披露目
新藤原(栃木県日光市)-会津高原尾瀬口(福島県南会津町)駅間で会津鬼怒川線を運行する野岩鉄道は11日、観光列車に改装した「6050型」をお披露目した。同型は1986年の開業当初から運行する車両で、国内で唯一、現役で運行を続けている。新型コロナウイルス感染症の流行で乗客数が減少する中、客足を取り戻すための起爆剤にと、関係者は期待を寄せている。
1500万円を目標にクラウドファンディング(CF)を実施したところ、1107人から計2183万円を調達し、改修費用に充てた。
改修したのは、運行する2編成(1編成2両)のうち、1編成の1両。運転士の気分を味わえる「模擬運転台席」や「畳座席」「掘りごたつ席」を設けたほか、トイレも洋式化した。模擬運転台席はダイヤ改正で役割を終えた実際の車両から運転台を移設した。
新藤原-会津高原尾瀬口間を臨時列車として1日1往復する。1月は26、28日、2月は2、4日に運行。その後車両点検のため運休し、3月から毎週金、土、日曜に運行する。乗車券のほか指定席券が必要になる。
最盛期の91年には年間117万人が同鉄道を利用したが、人口減少や自家用車の普及などで減少。コロナ禍の影響もあり、2021年度は17万6千人にまで落ち込んだ。
新藤原駅に隣接する本社前で開かれたお披露目会には栃木県や福島県、沿線自治体の関係者ら約20人が出席。テープカットの後、新藤原-中三依温泉間で関係者による試乗が行われた。
式典で同鉄道の二瓶正浩社長は「(観光に特化した車両改修は)未知の事業だった。乗ることが目的になるような愛される車両にしたい」とあいさつした。
(問)同鉄道0288・77・3300。
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