凸版、錦絵、リトグラフ、モノタイプ…版画テーマの企画展 24日まで群馬・富岡市
「版画の技法―凸版からモノタイプまで」をテーマにした富岡市立美術博物館・福沢一郎記念美術館の収蔵品展が24日まで、同館で開かれている。版画の技法に着目しながら養蚕関連の錦絵や、同市出身で日本にシュールレアリスム(超現実主義)を持ち込んだ画家、福沢一郎の作品を紹介している。
市内に世界文化遺産の富岡製糸場があることから養蚕にちなんだ一寿斎芳員の「かいこ養草」や、国貞(二代)の「養蚕仕立ノ図」など江戸時代後期から明治時代の錦絵を展示。作品に用いられているぼかしや布目摺(ず)り、空摺りの技法をパネルで解説している。
生涯で150点ほどの版画を制作した福沢の「蟹のよこばい」「レオナルドより女性(横顔)」「牛」の3点も並ぶ。いずれもリトグラフで制作方法を図解で説明している。
日本前衛美術の先駆者の一人、瑛九のエッチングやアクアチント、ドライポイントといった技法による「あこがれ」など7点と、高崎市の画家、豊田一男の一つの版で1枚しか刷ることのできないモノタイプの作品3点も陳列。モノタイプの技法は絵肌の変化やかすれの効果が得られ、刷りの圧力、紙と絵の具の種類の組み合わせなどにより多彩な表現ができる。
午前9時半~午後5時。月曜休館。入館料は一般210円。問い合わせは同館(☎0274-62-6200)へ。