織都とのゆかり示す 12月3日まで 群馬・桐生で企画展 崋山の日本画、矢野家掛け軸
上毛新聞
2023年11月28日
群馬県桐生市とゆかりのある江戸期の画家、渡辺崋山らの日本画を紹介する企画展が12月3日まで、同市本町の桐生歴史文化資料館などで開かれている。昨年寄贈されたり発見されたりした崋山の作品3点に加え、醸造業や商売で栄えた矢野家秘蔵の掛け軸など計約20点を紹介する。大半が初公開で、織都の文化的な隆盛をうかがわせる構成となっている。
崋山は妹が絹買商の岩本家に嫁いだ縁で、1831(天保2)年に桐生に滞在した。その際などに描かれ、文芸研究家の冨田鋼一郎さん(東京都)が同館に寄贈した「桐生月下高士雅遊図」と「三ケ尻梅鶴高士雅遊図」に加え、新発見の「三皇図」が企画展の目玉。三皇図は崋山が谷文晁の画塾で模写したもので、資料館隣接のレストラン「近江屋喜兵衛」で展示している。
矢野家所蔵の作品は富岡鉄斎や田崎草雲、小室翠雲ら大家が描いた山水画など。8代目矢野久左衛門の父、河窪三岱の絵画も並ぶ。矢野家の流れをくむ商店「矢野園」の小此木住夫店長は「いずれも保存状態が良く、貴重な品々。市民の目に触れる機会となったらうれしい」と話した。