茨城日産が温浴施設 今秋、水戸に開業 緑の癒やし、食にも力

茨城新聞
2023年7月2日

茨城日産自動車(水戸市、加藤敏彦社長)は温浴施設の運営に乗り出す。今秋、同市小吹町に温浴施設「SPA&ごはん ゆるうむ」を開業。ボタニカル(植物)&温浴(サウナ)をコンセプトに据える。接客で培った同社のノウハウを生かし、自然の心地良さやサウナ、おいしい食事を売りにする。加藤社長は「居心地の良い空間を提供したい」と話す。

2021年夏に閉店した温浴施設「御老公の湯」の建物を改装する。同施設の土地を茨城日産自動車グループが所有していたことがきっかけで、温浴施設事業への参入を決めた。

延べ床面積は5885平方メートル。2階建ての1階に風呂、売店、仮眠室、エステなどがそろう。2階はレストランや休憩用の部屋になる予定。宿泊棟もあり、泊まれる施設になる。主な顧客層は20~40代だが、年齢、性別を問わずくつろげる施設を目指すという。

運営の戦略の鍵は「癒やし」。施設内外に植物を多用し自然の心地良さを演出する。6種類のサウナのうち、目玉は「8段タワーサウナ」。塩サウナ、焼いた石に自分で水をかけて蒸気を発生させる「セルフロウリュ」のほか、個室のプライベートサウナも備える。

食事にも力を入れる。同社グループ会社で飲食店経営のワイ・グロウス(つくば市)が、地元食材を使った健康志向のメニューや、スタミナの付く通称「サウナ飯」、茨城県産の栗やサツマイモを使ったスイーツなどを提供する。特色ある施設にすることで、県外からの集客や水戸の知名度向上にもつなげたい考えだ。

収容人数は約400人。初年度は年間16万人、以降は同20万人の来場を目指す。職員(パート、アルバイト含む)は地元雇用を予定しており、障害者も採用したい考え。

開業日、入場料金などは、現時点で未定。料金は割引制度も検討している。異業種に参入することについて加藤社長は「設備を生かし、いかに良い接客ができるかだ」と成功へ向け重視する点を語った。