海洋高生マグロ水揚げ 茨城の港に初 7月にもスーパー販売へ
茨城県立海洋高(同県ひたちなか市和田町、前田浩一校長)の海洋技術科3年生が実習船「鹿島丸」に乗り組んで漁獲したマグロなどの水揚げが19日、茨城港大洗港区(同県大洗町港中央)の第4埠頭で行われた。漁獲物は茨城水産(水戸市)が加工し、カスミフードスクエア水戸赤塚店で7月下旬~8月上旬にも販売される。同校が実習の漁獲物を県内で水揚げし、加工して販売するのは初めて。
同校の乗船実習の漁獲物はこれまで、設備が整い「マグロの基地」と呼ばれる神奈川県三浦市の三崎漁港で水揚げしていた。茨城県内での水揚げは、食品スーパーのカスミ(茨城県つくば市)から「生徒らが漁獲したマグロを地元茨城で売りたい」との提案があったのがきっかけ。さらに茨城水産の協力を得て、加工、販売までの一連の流れが実現した。
茨城港大洗港区で同日行われた水揚げには、同科の生徒7人を含む実習船の乗組員ら計20人が参加。生徒らは船底の冷凍室からクレーンでつり上げられたマグロを1本ずつ、トラックのコンテナに運び入れた。
同科の生徒は5月初旬から約1カ月間、フィリピン、沖縄、小笠原沖で航海実習。はえ縄漁などでビンチョウマグロやキハダマグロ、メバチマグロなどのマグロ15本をはじめ、カジキやサワラ、マンボウなど魚類約400キロを漁獲した。
今後、生徒は店頭での販売促進活動にも取り組む。同科3年、檜山晃希さん(17)は「かえし針にえさの小魚を引っかける作業が難しかった」と実習を振り返り、「初めて大洗で水揚げしたマグロをおいしく食べてほしい」と笑顔を見せた。