茨城・大洗高生 町の資源で活性化を 名物だんご カフェ出店など企画
茨城県大洗町大貫町の県立大洗高校(小貫弘一校長)は、町の資源を再発見し活性化策を探る授業を進めている。空き店舗の多い地元大型商業施設を盛り上げようと、地元名物「みつだんご」を扱った若者向けの新スイーツを生みカフェの出店を企画するなど、生徒たちは班ごとにまちづくりの14テーマを決めている。生徒たちは「授業を通じて地域に貢献できるのはうれしい」と意気込みを話している。
授業は「ながみね探求」と銘打ち、本年度で2年目。昨年度から1年生を対象に始まった。
音楽科の4人は、町のB級グルメ「みつだんご」を生かした新商品を開発し、大型商業施設「大洗シーサイドステーション」(大洗港中央)に再び若者を呼び込むことを目指している。
同施設のイベントで演奏した際、空き店舗の目立つ閑散とした雰囲気に寂しさを感じたのが企画のきっかけ。
みつだんごは小麦粉で作る串だんご。たれにしょうゆや砂糖などを煮詰めた、とろみのある蜜をかけきな粉をまぶしている。町内で唯一売る老舗和菓子店「味の店たかはし」(磯浜町)の看板商品だ。
4人は「みつだんご×フルーツ」として、県産果物と組み合わせ、交流サイト(SNS)で「映(ば)える」新商品を考案。試作に、イチゴやミカンなどの果物とみつだんごを鮮やかに盛り付け、同校の職員らと実食した。今後も生地や蜜の改良を重ね、同店に指導を仰ぐ。軌道に乗れば、空きテナントに若者が立ち寄りたくなるカフェを出店し、新みつだんごを販売する考えだ。
別の班では、観光の目玉をつくろうと、町内の小学校跡地にスケートボード場の建設を目指している。波及効果を数値化し、国井豊町長に提案する予定。
ながみね探求は、学年や学校の枠を超えた活動で生徒の主体性などを養うのが狙いで、一つのテーマに3年間打ち込む。昨年10月には、施設見学やアンケートの結果を中間報告した。
5月25日は、1年生が研究テーマを選ぶ参考にしてもらおうと、2年生による発表会を校内で開催。各班はスライドを用いて成果や課題を説明した後、内容をまとめたポスターを掲示。1年生は興味のあるポスターの前に集まり、2年生に質問していた。
みつだんごの開発に取り組む2年、菅原梨未(りみ)さん(17)は「『映える』みつだんごの商品化を1年生と早く実現させたい」と話している。