「よりもい」のバケツプリン、「美男高校」はトートバッグ 群馬の「聖地」宿泊プランが人気
アニメの舞台やモデルとなった地域にファンが足を運ぶ「聖地巡礼」の観光で、劇中の世界を体験できる宿泊プランが注目されている。新型コロナの感染症法上の分類が5類に引き下げられ、観光需要が本格化する中、群馬県館林市のホテルは作品の主人公の部屋をテーマにしたプランを4月下旬に発売、2カ月先まで予約がほとんど埋まる人気となった。
南極を目指す女子高生らを描いた「宇宙(そら)よりも遠い場所」(通称・よりもい)の舞台の一つ、館林市では東武館林駅前の館林ヒルズホテルが主人公、玉木マリ(キマリ)の部屋をイメージしたプランを発売。5~6月はほぼ満室となった。週末は9月までほぼ予約で埋まっているという。
ホテルは改装前の様子が作中に登場し、放送から5年たった今も全国からファンが訪れる。プランはキマリのものを再現したブランケットやキャラクターが描かれたルームキー、朝食の「ミニバケツプリン」など作品を思い起こさせる特典があり、持ち帰ることができる。隠れた仕掛けも用意している。
通常の宿泊より1万円ほど高いが、運営会社は「反応の大きさに驚いている」(安楽岡紀子副社長)という。「作品がきっかけで館林を訪れた人に、市全体のファンになってもらいたい」と期待する。
「美男高校地球防衛部」シリーズとコラボレーションしている渋川市の伊香保温泉では、石段街の飲食店がコラボしたスイーツやロープウエーのラッピングといった企画のほか、オリジナルグッズが付く宿泊プランを昨年10月から展開している。
現在行っている6宿泊施設の一つ、古久家によると主要ファン層の若い女性だけでなくカップルでの宿泊も多いという。4~6月の第3弾はトートバッグなどの特典が付き、予約も順調に推移している。
アニメや映画の聖地巡礼に訪れるファンは、作中に登場する場所で記念撮影をしたり、周辺の観光スポットを巡るなどして楽しんでおり、聖地を観光資源として生かす自治体が出てきている。
アニメを活用した観光集客や地域活性化を目指すアニメツーリズム協会(東京都)によると、コロナ禍でこうした宿泊プランも低調だったが、「今後の盛り上がりに期待できる」と見ている。
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