七草で無病息災 セリ出荷最盛期 行方

茨城新聞
2016年12月31日

「春の七草」の一つ、セリの国内有数の産地である行方市で、収穫と出荷作業が最盛期を迎えている。セリは無病息災を願って新年1月7日に食べる七草がゆに入れられ、これに向け、生産者は冬の冷たい水田に腰まで漬かって収穫作業に追われる。

JAなめがたセリ部会長で、同市中根の大和田進一さん(53)の水田と作業場でもこの時期、休みなく早朝から午後10時ごろまで作業に取り組む。

「田んぼでの収穫も大変だが、長さをそろえたり選別したりする作業が他の野菜より苦労する」。家族と一緒に収穫し、丁寧に選別されたきれいなセリは、京浜市場を中心に出荷される。

同市のセリ栽培は約45年前、水稲や葉タバコ農家が農閑期に始めた。北浦の恵みを受け、全国でもトップクラスの産地となった。

大和田さんは「鍋やサラダで食べるのもお勧め。香りが楽しめるセリご飯など、さまざまな料理でおいしく食べられる」と話す。出荷は来年4月ごろまで続く。       

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