《食いこ》茨城おとなのかき氷 四季と六花(笠間市) やわらか氷、茨城県産の果物堪能

茨城新聞
2023年5月12日

茨城県産の果物をふんだんに使用したかき氷の専門店「四季と六花」(同県笠間市)。削り出される氷は極薄のかんなくずのように繊細で、口の中でフワッと溶けるやわらかさだ。「氷だからこそ、果物のみずみずしさを引き出せる。素朴で清涼な甘さを楽しんでもらえれば」。店主の石岡幸治さん(53)=水戸市在住=は、削りたての氷が盛られた器を手にこう呼びかける。

店舗は築約50年の木造平屋の住まいをリノベーション。庭先の植栽になじむ外観は、隠れ家の雰囲気が漂う。店内には、かつての土間や和室を生かし、年代物のテーブルや座卓を配置。趣ある空間は、日常の喧噪(けんそう)を忘れさせてくれる。客の8割は県内だが、東京や神奈川などからのリピーターも多く、遠くは北海道や沖縄からも訪れるという。

使用する果物は、常陸大宮市のイチゴや鉾田市のメロン、地元笠間市のクリ、城里町のブルーベリーなど、ほとんどが県産。イチゴの入荷がほぼ終了となる4月末からは、那珂市産のカボチャが主力の一つとなる。「カボチャのほのかな甘みと氷のやわらかな舌触りは絶妙。鮮やかな黄色は写真映えもするので、ぜひ交流サイト(SNS)で発信してほしい」と声を弾ませる。

やわらかな口当たりになるよう氷を削る

石岡さんによると、かき氷には三つの期限がある。一つ目は、見た目がきれいである時間「賞〝美〟期限」(30秒)。二つ目は、おいしく食べられる時間「賞味期限」(3分)。三つ目は、できれば食べ終わってほしい時間「消費期限」(5分)。「おいしく召し上がるために、三つの期限を心得ていただければ」

かき氷店を営む前は神奈川を拠点に会社勤めやフリーランスで記者の仕事をしていた。40代半ばに、出張で水戸市を訪れて会食した際、新鮮な農産物で作られた料理に魅せられたという。

緑豊かな庭を抜けると、古民家風の店が見える

2019年、50歳を目前にして一念発起し、仕事を辞めて茨城県に転居。飲食業は未経験ながら、日立市内でかき氷専門店をオープンした。その後、縁あって笠間市のシェアカフェで再び店を開き、昨年3月に現在の場所に移った。

メニュー開発のため、県外にも視野を広げる石岡さん。今夏には沖縄産の無農薬果物を使った新商品を登場させる予定だ。

■お出かけ情報
茨城おとなのかき氷 四季と六花
▽笠間市下市毛213の2
▽営業時間は午前11時~午後5時
▽営業日は金、土、日、月。公式LINEによる完全予約制
▽公式LINEのURLは、https://lin.ee/XpHqPGu