春の訪れ、ヤマメ探索 栃木の那珂川支流・箒川 茨城も解禁

茨城新聞
2023年4月1日

今年は春の訪れが早い。きっと川の中にも春は来ているだろう。そんな期待を胸に3月中旬、栃木県の那珂川へヤマメを探しに行った。

午前6時過ぎ。同県黒磯市の那珂川に着いた。少し寒かったが厚手のシャツ1枚で川辺に立った。

さおを伸ばさず川の中を歩いたが逃げる小魚の気配はない。石をめくるとクロカワムシがたくさん採れる。水温は意外と低くセ氏6度。雪代が混ざっているのか昨日まで乾いていた石の上に水が乗っている。

「あまり釣れそうにないな」と思いながら深そうな要所をさおを伸ばして探ってみる。やはり魚の気配はない。ポイントを探してどんどん上流へ歩いたが1匹も釣れず、新幹線の鉄橋まで来てしまった。

車を止めた所までおよそ5キロ、道路を引き返す。国道4号を南へ移動して那珂川の支流、矢板市の箒(ほうき)川に着いた。

日差しを強く感じる午後1時、石がごろごろした川原を歩いていると、例年なら4月にならないと採れないピンチョロムシを水たまりに発見。網でたっぷりすくって餌箱に入れ、さおを伸ばし釣ってみた。

予想通りアタリはない。水面近くを飛ぶユスリカを食べる姿もなく、私の影に驚いて逃げるのが見えるわけでもないが「探せば釣れる」魚の気配を感じたのでどんどん上流へ歩く。

するとそれほど深くない護岸ブロック沿いの瀬で「ぱちっ」という音とともに魚が羽虫を食べた。「見つけた!」すかさず針にピンチョロを刺して流れに乗せると、ハイどうぞと言わんばかりに「くんッ!」とアタリ。勢いよくアワセる。跳ね回る魚の姿に思わず「やったぞ!」。

釣り上げたのは約22センチのヤマメ。優しく手に乗せると、ぷるんと柔らかくつややかだ。手早く写真を撮ってさらにヤマメを探すと、ポツリポツリと釣れた。

川が大きくカーブし、深い流れのポイントでは3匹連続で釣れた。さっきとは違うタイプで養魚場で育ったような魚体。漁協で放流したのだろうか。

ヤマメの味が染みておいしい炊き込みご飯

 

結局箒川ではヤマメを7匹釣り上げた。帰宅後、早速友人を集めてヤマメの炊き込み飯を作った。よくいぶったヤマメのうまみがご飯に染みて、おこげも香ばしく美味だった。茨城でも1日に解禁。今年は桜を楽しみながらのヤマメ釣りとなりそうだ。(奔流倶楽部渓夢・上谷泰久)