大手門復元、来春にも着工 水戸市、歴史景観のまちへ
安土桃山時代から明治期ごろにかけて、水戸市三の丸地区にあったとされる水戸城の「大手門」や「二の丸角櫓(すみやぐら)」「土塀」の復元を進めている水戸市は、2017年春にも、建物の建設工事に着手する。駅前から眺望できる“水戸の顔”として歴史的なまちづくりを進めるほか、観光交流拠点として19年度の完成を目指していく。
市歴史文化財課によると、これまでの調査研究で大手門や角櫓、土塀は、県立水戸三高の場所にあった水戸城本丸の周囲に整備されていた。市は残る絵図や写真などを分析、発掘調査なども踏まえ、いずれも当時と同じ在来工法で復元する計画。
大手門は弘道館東側の大手橋を渡った市立水戸二中と茨城大付属小の敷地にまたがる形で復元する。木造2階建て、高さ13・3メートル、幅17・2メートル、延べ床面積118・8平方メートルの建物を、6億2400万円かけて建設する。
復元後は一般車両を通行止めとするため、門がまたぐ部分の市道は廃道になる。開口部の幅は5・7メートルで、24時間開門する。通行は歩行者や自転車、緊急車両に限定する。
このほか、同付属小敷地の南西側には角櫓を復元。JR水戸駅北口のペデストリアンデッキから眺望できる場所であるため、駅前の歴史的景観向上も期待できる。建物は木造2階建てで、角櫓内部には常設の屋内展示場も設ける予定だ。
大手門から角櫓を経て、水戸三高と同付属小の境界部までの区間には、高さ約1・8メートル、延長約500メートルの土塀も整備。塀の上部をしっくいで塗るほか、下部を板張りにして重厚感ある外観に仕上げる。
いずれも茨城国体が開かれる19年秋までに完成する予定。市歴史文化財課は「大手門などの復元により、歴史のまちづくりを進め、弘道館を含めた周辺の観光客誘致促進につなげたい」としている。
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