まき火で調理する本格イタリアン 里山のレストランが群馬・川場村にオープン
里山の景観が広がる群馬県川場村谷地に、イタリアンレストラン「VENTINOVE(ヴェンティノーヴェ)」がオープンした。同村出身のオーナーシェフ、竹内悠介さん(41)が、地元にUターンして開業。イタリアでの修業経験を生かし、地産食材をまきを使ったじか火で調理する。独自のスタイルにひかれ、遠方から足を運ぶ客も多い。
竹内さんはイタリア滞在を経て、東京・西荻窪でイタリア料理店を9年間経営していた。しかし、入居ビルの解体とコロナ禍が重なり、妻の舞さん(44)と利根沼田地域へUターン。2人で開店にこぎ着けた。
店にはじか火用の調理台と、煮炊き用の蓄熱性の高い特殊なかまどを導入し、どちらもまき火のみを熱源にする。竹内さんによると、じか火での調理は、野菜や肉にまきの香りを移しながら焼き上げられる。ガス火と比べ制御が難しい部分もあるが「そこに新しい発見があることを強く感じている」と話す。
食材は利根沼田地域産の物にこだわる。旬の野菜は出回る期間が短いため、気になる食材を見つけるとすぐに仕入れ、当日に調理方法を考えて提供することも。「旬な食材はライブ感がある。試作ができないため、料理人の腕が試される」とやりがいを語る。
1日2組限定で午後3時以降のディナーのみ。季節のコース(1万1000円)のほか、客の好みの食材を聞きながら、その場でメニューを決めるコンテコース(1万4500円)、骨付きの県産牛を焼き上げるビステッカコース(1万8000円)の3種類を用意する。
イタリアには「車でしか行けない地方の小さな村に、星付きのレストランがある」という。自然豊かな川場に店を構えたことで「憧れはあったが現実味のなかったものが急に形になった」。窓から見える景色と共に食事をゆっくり楽しんでほしいと願っている。
月・火曜定休。遠方から訪れる人に向けて宿泊施設も併設している。事前予約が必要。予約や問い合わせはホームページから。