「筑波山地域」を認定 日本ジオパーク、茨城2カ所目

茨城新聞
2016年9月10日

日本ジオパーク委員会(JGC)は9日、本県の筑波山地域を含む5地域を新たに「日本ジオパーク」に認定した。県内で認定を受けたのは2011年の「茨城県北」に次いで2カ所目。筑波山地域は2回目の申請で認定を受けた。筑波山地域ジオパーク推進協議会の市原健一会長は「関係者の協力と市民の皆さんの支援のおかげ。ようやくこの日を迎えることができた」と話した。

JGCは同地域について「関東平野など新しいテーマの構築」「自治体の垣根を超えた住民のつながり」「最先端の研究機関との連携」など、今後に向けた期待の高さなどを評価した。

同協議会は、筑波山周辺の地質学的特長と文化遺産をジオパークとしてアピールする狙いで、12年8月に発足。14年に申請した際には審査の結果、認定見送りになった。

これを受け、同協議会は運営体制を見直したほか、「関東平野に抱かれた山と湖」を新たなテーマに設定、前回の構想には含まなかった鶏足山塊に着目するなど、新たな地域資源を掘り起こした。

同協議会は今年4月、申請書を提出。5月の公開プレゼンテーション審査で、同協議会加盟6市(つくば、笠間、桜川、石岡、土浦、かすみがうら)で取り組んできた成果をアピールした。JGCは8月、同地域に対する現地審査を実施した。

市原会長は「加盟6市が連携し、絆が強くなった。認定を目指す努力の過程が重要だった。期待に応えるため、これで終わりではなく、この日を出発点としたい」と語った。

新たに認定されたのは同地域のほか、箱根(神奈川)、下北(青森)、浅間山北麓(群馬)、鳥海山・飛鳥(山形、秋田)。箱根は既存のジオパークだったが、領域を拡大して新規のジオパークとして認定された。月山(山形)と萩(山口)の認定は見送られた。

今回認定された5地域を加え、日本ジオパークは世界ジオパーク8地域を含む計43地域となった。

★ジオパーク
貴重な地形や美しい景観など「大地の遺産」を保全しながら「大地の公園」として活用し、観光や教育に役立てる取り組み。世界ジオパークは国連教育科学文化機関(ユネスコ)支援の団体が認定し、日本ジオパークはその国内版。

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