西ノ内和紙で作品 茨城県つくば美術館
茨城県特産である「西ノ内和紙」を作品を通じて身近に感じてもらおうと「和紙に親しむ仲間展~伝統とモダン」(県教委など後援)が、つくば市吾妻の県つくば美術館で開かれている。県内作家11人が主に西ノ内和紙を使い、水墨画や書、切り絵、写真、木版画などで表現した作品約100点を展示した。10日まで。
同展は、つくば市北条に住む版画家の武井桂子さん(70)が各分野の作家らに声を掛け、2014年にスタートした。
木版画9点を出展した武井さんは西ノ内和紙について「素朴な紙だが、風合いがあり、作品にすると質感が出るのがいい」と話す。徳川光圀が命名し、350年を超える伝統の和紙は、江戸時代に水戸藩が生産を奨励した。現在も常陸大宮市で作られ、県指定無形文化財となっている。
武井さんは「自由さがこの展覧会の良さ。お互いに切磋琢磨(せっさたくま)して作品を作り上げ、個性が生まれる。見た人がいいなと思ってもらえる瞬間があれば」と話す。
影画と呼ばれる写真作品を出展した石井良一さん(70)=土浦市=は「写真の作品にも和紙が使える。皆で和紙の生産者を支えられれば」と言う。展覧会には書や切り絵作品も加わった。歴史的建造物が立ち並ぶ桜川市真壁地区を舞台に切り絵制作に取り組む竹蓋(たけふた)年男さん(56)=つくば市=の作品が並ぶ。
今回は展示作品のうち作家1点ずつを高齢者福祉施設に寄贈する。寄贈を希望する施設は会場で作品を選んで申し込み、主催者が最終日の午後3時から手渡す。多数の場合は抽選。同展は午前9時半~午後5時(最終日は同3時半)。入場無料。
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