《真田のふるさとを訪ねる》大笹関所跡(嬬恋村大笹) 人や物資の流通に貢献

上毛新聞
2016年4月20日

ㅤ大笹関所は沼田藩主、真田信利が1662(寛文2)に建設した。上州と信州を結ぶ代表的なルートの一つだった信州街道(大笹街道)にある。上野国では碓氷、猿ケ京と並び、軍事的・戦略的に重要な関所だった。現在は国道144号沿いに復元された門があり、自由に見学できる。門扉の建築部材は廃関当時のものが使われている。
ㅤ大笹街道は北国街道の脇往還にあたり、人々の交流や物資の流通に大きく貢献した。隣接する沢に刎(は)ね橋が架けられていて、有事の際は橋を切り落とす仕組みだった。
ㅤ1681(天和元)年、沼田藩の改易により幕府直轄の関所となり、1868(明治元)年に廃関となるまで使われた。
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ㅤ鎌原城址(嬬恋村鎌原)には堀切りや城主墓地が残り、案内板が立っている。鎌原城は1397(応永4)年の築城とされ、鎌原氏の居城だった。鎌原氏は武田信玄に仕えた武将で、後に沼田藩真田氏の家老となった。

ㅤ嬬恋村鎌原の嬬恋郷土資料館(0279・97・3405)は、1783(天明3)年の浅間山大噴火による土石なだれで埋没した鎌原村(現在は嬬恋村)から発掘された品々を展示している。近くにある鎌原観音堂には多くの住民が避難し助かったが、石段で土石なだれに巻き込まれた人もいた。
ㅤ同資料館で10月25日まで2016企画展「戦国武将 真田氏と鎌原氏」が開かれている。古文書や刀、瓦、吾妻川沿いの崖を利用した鎌原城の立地が分かる模型などを展示している。
ㅤ9~16時半。水曜は休み。ただし、7・8月は無休。料金は一般300円、小中学生は150円。

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