「常陸大黒」の菓子3品 大子清流高 ケーキやアイス試作

茨城新聞
2016年1月15日

県北特産のベニバナインゲン(花豆)「常陸大黒」を使い、菓子の商品開発に取り組む県立大子清流高(長山茂樹校長)は14日、大子町芦野倉の農場調理実習室で、3年の女子生徒が考案した試作品を発表した。砕いたり、ペースト状やあんに加工した3品は試食者からも好評。「ちょっと手を加えれば商品として販売できる」と話していた。

池上菜々さん(18)の「ムースのケーキ」は、抹茶のスポンジの上に常陸大黒のあんやパイ、抹茶のムース、オレンジゼリーを重ね、一粒の常陸大黒を添えた。「甘さが強くなりすぎないように、オレンジの酸味で味にインパクトを付けた」と話した。

パティシエ志望の長山真子さん(17)は「シューアイス」を制作。エクレア形のシュー皮に、常陸大黒のペーストを入れたアイスクリーム、粒にした常陸大黒を挟んだ。「アイスと粒で食感をよくした」と工夫を述べた。

益子莉奈さん(18)の「ミルフィーユ」は、一口大のハート形のパイに、カスタードクリームに砕いた常陸大黒を入れ、さらにあんを挟んだ2層のパイ。「食べやすく、常陸大黒の味も分かるようにした」と話した。

試食した大子製菓協業組合の菊池寛一理事長は一つずつ感想を述べ、「常陸大黒を研究しておいしくできている。もう少し工夫すればどれも商品化の可能性がある」と満足していた。

常陸大黒は2002年に県が育成した新品種。一粒が約2グラムと大粒で、光沢のある黒色と上品な味わいが特徴。大子清流高は総合学科農業系列の3年生が農業経営プロジェクトとして栽培、菓子開発に取り組むカリキュラムがある。

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