茨城経営クラブ 伝統継ぎ食育推進

茨城新聞
2015年12月28日

日本の伝統文化を守りたい-。水戸市を中心とする中小企業経営者らでつくる茨城経営クラブ(友末忠徳会長)は、八溝山の杉材を使った「祝い箸」を製作、販売を始めた。正月や節句など、四季折々の慶事に用いられてきた箸(はし)の文化を後世に伝え、食育につなげる。素材には地元産品を活用し、地域の魅力度も高めたい考え。

祝い箸は両方の先端が細くなっている「両口箸」とも呼ばれる箸で、主に正月や節句などで使われる。先端の一方は人が、もう一方は神様が使うとされ、古くから祝い事で用いられてきた。ただ近年は、文化や由来が「忘れられる」(同クラブ)傾向という。

そこで同クラブは、伝統的な日本文化を残そうと「八溝のめぐみ祝箸」として商品化。正月と五節句(七草、ひな祭り、こどもの日、七夕、重陽)での使用を想定し、6膳を1組にして販売を始めた。箸は節句ごとに色分けした水引で包んだ。価格は1組2千円(税込み)。

素材には八溝山の間伐材を使い、大子町森林組合が供給する。加工は福島県や奈良県の業者が手掛ける。梱包(こんぽう)には県無形文化財に指定されている常陸大宮市の西ノ内和紙を使った。高い品質の地元素材を活用し、地域活性にもつなげる考えだ。

同クラブはまず千組を作り、需要に応じて増産する。一般家庭のほか、県内旅館や飲食店などを対象に売り込みを進める。祝い箸購入の申し込みは同クラブ事務局(電)029(231)1228

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