《いばらき御朱印めぐり》笠間・佐白山正福寺 結婚や仕事の縁結ぶ 400種超、通販でも授与

茨城新聞
2020年12月11日

笠間日動美術館すぐ近くに上り口がある佐白山正福寺(笠間市笠間)。鎌倉初期に神奈川県や栃木県など関東7都県に開設された坂東三十三観音の「坂東23番札所」でもあり、御朱印は870年余り前から墨書で授与してきた。

約3年前からは、楽しく参拝できるようにと、縁のあったイラストレーターのデザイン画を取り入れ、アート御朱印の授与を始めた。現在では、400種以上の御朱印がある。体が弱いなどの理由で、参拝が難しい人のためにも、御朱印を身近に置けるよう、通販でも授与を行っている。

金文字で御朱印を書き入れる正福寺の職員=笠間市笠間

同寺は、猟師の粒浦氏が651(白雉(はくち)2)年に佐白山頂上付近に創設した。ゆっくりと、階段を上り終えると緑色の屋根が印象的な本堂が見えてくる。この本堂には、県指定有形文化財に指定された「木造佐白観音坐像」のご本尊が祭られ、結婚や仕事などの縁を結ぶ“縁結びの観音さま”と呼ばれるそうだ。

墨書の御朱印には、中央に「千手観世音」としたためられ、三つの宝印が押されている。本県の坂東三十三観音は同寺のほか、八溝山日輪寺(大子町)、妙福山佐竹寺(常陸太田市)、雨引山楽法寺(桜川市)、筑波山大御堂(つくば市)、南明山清瀧寺(土浦市)の計六つの寺院がある。天津広子住職(59)は「33カ所を回り終え、病が良くなったなどと、お礼参りに来られる人が後を絶たない」と明かす。

一方で、新型コロナウイルスの防疫になればと、イラストレーターらがデザインした、疫病を鎮めると言い伝えられる妖怪「アマビエ」のアート御朱印も数多くある。サンタクロースのアマビエがデザインされた「妖怪アマビエちゃん サンタクロース」は25日までの限定品。金粉入りの文字で「妖怪アマビエちゃん」と書かれている。

デザインは、笠間市在住の女性イラストレーターらが手掛けた。「コロナ禍で鬱々(うつうつ)とする気持ちをパステル調の優しい色使いで、明るい気持ちになってもらえたら」と思いを込める。

同寺によると、アマビエちゃんの御朱印はコロナが収束するまで授与していく。天津住職は「札所なので、コロナ禍でも手書きにこだわっていくつもり。無病息災。豊かに生きられますようにと、心で拝みながら書かせていただいている。御朱印を通じて、お寺を知ってもらえたら」と話す。 (鈴木聡美、写真は高松美鈴)(第1土曜日掲載)

メモ
アクセス:JR水戸線笠間駅よりタクシーで約3分。車の場合は、国道50号の才木(交差点)を左折して、旧国道50号に入る。笠間日動美術館入り口を左折し、左手にある。
住所:笠間市笠間1056の1
電話:0296(72)1332
御朱印:400種類以上。墨書の御朱印は500円。土、日、月、祝日限定で授与する金・銀の御朱印は700円。書き置きは600円。アマビエちゃんがデザインされた見開き御朱印は1000円。午前9時~午後4時まで。定休はなし。

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